離婚の年金分割

悩んでいる女性

年金分割とはどのようなもの?

年金の納付記録は分割できる

離婚時の年金分割とは婚姻期間中に夫婦で納めた厚生年金または共済年金保険料の記録を分割するもので、平成19年4月1日から始まった新しい制度です。

この年金分割制度が始まるまでは、婚姻期間中に専業主婦であった女性は将来国民年金しか受け取ることができませんでした。

そして、国民年金は保険料を40年間払い続けたとしても年間で80万円弱しか受け取ることができず、「離婚をしたいのだけれども離婚後の生活が心配だ」と考えられて離婚を躊躇する人が多かったものと思われます。

ところが、この年金分割の制度によって婚姻期間中に夫(あるいは妻)が納めた厚生年金保険料(共済年金保険料)は夫婦が共同で納めたものとして、離婚時に分割を請求することができるようになったのです。

対象範囲

分割される対象範囲は会社員であるならば厚生年金保険料納付記録、公務員であるならば共済年金保険料納付記録です。

分割される対象期間は結婚から離婚までの期間で、結婚前の記録や離婚後の記録が分割されるわけではありません。

また、妻が確実に年金分割を受けられるというわけではなく、夫が専業主夫であった場合や、共働きで妻のほうが夫より収入が多い(保険料は収入に比例するので、保険料を多く納めていた)場合は、妻から夫に年金分割がなされるということになります。

つまり、女性のための年金分割制度というわけではなく、離婚によって将来の年金額に不安が残る一方のための年金分割制度であると言えるでしょう。

ただ、婚姻期間中は夫のほうが収入が多いことが一般的ですので、この年金分割の制度によって救われる女性が多いと考えられます。

条件

合意分割

夫婦の話し合いによって、保険料納付記録を分割するかどうか、分割するのであればその割合(按分割合)をいくらにするかを決めることを合意分割制度と言います。

この年金分割を行うには、平成19年4月1日以降に離婚することが前提です。

これ以前に離婚をしていた夫婦は、年金分割を請求することはできません。

また、年金分割をすることに夫婦が合意し、その分割割合(按分割合といい、上限が50%、下限はその夫婦によって異なります)を決めて、その合意内容を公正証書にするか、公証人に私署認証を受けるか、年金分割請求をすること及び請求すべき按分割合について合意している旨を記載し、かつ、当事者自らが署名した書類を作成する必要があります。

これらのことに夫婦間で合意ができない場合には、家庭裁判所の調停を利用して決めることになります。

3号分割

上記の合意分割制度はあくまでも夫婦間の話し合いによって決めるものでありますが、それとは別に3号分割制度というものがあります。

これは、平成20年4月1日以降に離婚した場合には、平成20年4月以降に一方が国民年金第三号被保険者(扶養に入っている配偶者)であった期間については、他方の同意を得ることなく50%の年金分割を受けることが可能となる制度です。

ただし、それ以前(平成20年3月以前)の年金分割を行う際や、平成20年4月以降でも共働きであった場合(一方が国民年金第三号被保険者でない)は、やはり上記のような配偶者と年金分割をすることや按分割合についての合意が必要で、その合意内容を公正証書にするか、公証人に私署認証を受けるか、年金分割請求をすること及び請求すべき按分割合について合意している旨を記載し、かつ、当事者自らが署名した書類を作成する必要があります。

次のページ(離婚協議書)へ

離婚相談室のメニューに戻る

不倫慰謝料、婚約破棄、離婚相談室TOPに戻る

ページの先頭へ