婚約破棄の慰謝料を請求されたら

悩んでいる女性

慰謝料を請求されたらどうすればいいの?

請求された場合の対応

婚約男女

婚約破棄の慰謝料を請求された場合の対応によって、すぐに話し合いによって解決する場合と、調停や訴訟にまで発展してしまう場合があります。もちろん、請求されている金額が減額されることも、増額されることもあります。

婚約破棄の慰謝料を請求された場合の対応によって、解決の結果と過程が全く異なることに留意する必要があるでしょう。

それだけ対応は難しいのですが、上手に対応すれば、無駄な時間、労力、お金を使わずに済むので、請求されている方は是非ご一読ください。

ポイント

ここがポイント!


請求された場合にどのような対応をするかによって、解決にかかる時間・労力・解決結果は全く異なる。

「慰謝料として金200万円を請求します。1週間以内に指定の口座に振り込まれない場合は、法的措置をとります」というような内容証明郵便が送られてきたとしましょう。

差出人を確認する

弁護士や行政書士の場合

疑問

最初に何からすればいいのでしょうか?

婚約破棄慰謝料請求の内容証明郵便等の差出人が、弁護士や行政書士であるならば、身は安全です。

なぜなら、合法的な手段しか使わないからです。突然家に押しかけられることはありませんし、闇討ち?されたりもしません。

ただし、その内容証明郵便に記載されていることを履行しない(慰謝料請求に応じない、○月○日までに連絡しないなど)場合は、本当に法的措置をとられる可能性は高いです。

元婚約者個人の場合

これに対して、婚約破棄慰謝料請求の内容証明郵便等の差出人が、行政書士や弁護士でなく請求者本人である場合で、特に女性が請求された場合は、ちょっと怖いですよね。

それこそ、闇討ちはされないでしょうが、突然家に押しかけられることや、待ち伏せされることも考えられます。

婚約破棄慰謝料請求者の性格(怒り出すと何をするか分からないなど)は、請求された人がよく分かっている(婚約していた、もしくは最低でも婚約に近い交際をしていたわけですから)でしょうから、そのような危険があると判断した場合は、すぐにでも行政書士や弁護士などの専門家に相談し、善後策を協議したほうがいいでしょう。

弁護士や行政書士が作成していてもその名前が出ないこともある

なお、弁護士や行政書士等が作成した書面でも、弁護士名や行政書士名を出さないことがありますので、その点は記載されている文面から判断するしかありません。実際に当事務所で作成する内容証明郵便に当職名は入らず、本人名義となります。

一般論ですが、慰謝料請求書面に弁護士や行政書士等の作成者の名前が出ていなくても、弁護士や行政書士等が作成した書面の場合は、感情的な記載は最小限になっていて、何を根拠(債務不履行、不法行為、判例など)にこのような請求をしているかが記載されていることが多いように感じます。

事実関係を確認する

次に、婚約破棄慰謝料請求の内容証明郵便に記載されている事実関係を確認しましょう。

単に「○月○日までに慰謝料金○○万円をお振込ください」と記載されていることはないはずです。なぜ婚約破棄の慰謝料を請求するのかということが記載されていることでしょう。

それが事実なのか、デタラメ(全くデタラメということはないでしょうが、思い込みなどはあります)なのかということを確認しましょう。

ポイント

ここがポイント!


まずは、請求書面に記載されている差出人と事実関係を確認する。

請求権があるかを確認する

婚約破棄慰謝料請求してくるということは、請求者としては慰謝料請求権を有していると思っているはずです。ところが、稀に慰謝料請求権自体を有していないにも関わらず、恐喝のような請求をする人もいます。

これは、差出人が行政書士であろうが弁護士であろうが同じことです。なぜなら、行政書士も弁護士も依頼者(請求者)からの情報だけで判断するので、依頼者(請求者)がデタラメの事実を話したとしても、それを真実と信じて慰謝料請求の書面を作成するからです。

明らかにウソをついていると分かるのですが、巧妙な方もいますので・・・

婚約破棄の慰謝料を請求してきた人が、慰謝料請求権を有しているかの判断ポイントは二つあります。

(1)婚約が成立していたかどうか

婚約が成立していない限り、婚約破棄という概念にはなりません。成立もしていないのに、破棄などは出来ないからです。当たり前といえば、当たり前ですね。

まずは、このポイントについて判断しましょう。

具体的にどのような場合に婚約が成立するかは、→こちらの婚約の基礎知識でご確認ください。

(2)婚約破棄をした正当事由があったか、あるいは慰謝料請求者が婚約を破棄させる原因を作ったか

婚約が成立していたのであれば、婚約が結婚に至らなかった原因はどちらにあったか(どちらが大きかったか)が問題となります。

婚約破棄の慰謝料請求をされるということは、請求された側が正当事由なく婚約破棄したか、慰謝料請求者に婚約を破棄させる原因を作ったかのどちらかと、慰謝料請求者は考えているからです。

次に、このポイントについて判断しましょう。

どのような理由が正当事由に該当するか、あるいは該当しないかについては、→こちらの婚約破棄の正当事由でご確認ください。

ポイント

ここがポイント!


次に、婚約が成立していたかどうか、自分に正当事由があるかを確認する。

確認後は

(1)と(2)の双方に該当する(婚約は成立していて、正当事由なく婚約破棄したか、慰謝料請求者に婚約を破棄させる原因を作った)のであれば、財産的損害及び精神的損害の賠償に応じざるを得ませんので、あとは請求額を受け入れることができるかどうかだけの問題となります。

逆に、(1)に該当しない、又は(1)に該当するが(2)に該当しない(と思われる)のであれば、財産的損害及び精神的損害の賠償に応じる必要はありませんが、それを請求者に理解してもらう必要(回答文書を出すなどして)があるでしょう。

そう簡単には理解してもらうことはできないことが多いのですが、それでもそれを理解してもらう努力をしないのであれば、時間と費用を消費する調停、訴訟に進む可能性が高まります。

請求への返答

重要性

ここが一番重要でしょう。

内容証明郵便での婚約破棄慰謝料請求を無視してとしても、別に逮捕されたりしませんし、法的には何らかの対応をするはありません。

「だったら無視しよう、そのうち諦めるだろう」と思うかもしれませんが、はっきり申し上げて、最悪の対応です。

無視しても何も解決しませんし、そのまま法的措置をとられたときに、「やましいことがあるから返答しなかったのだろう」と推測される可能性がないとは限りません。

もちろん、名前を聞いたこともない人からの婚約破棄慰謝料請求であるならば、今はやりの(?)架空請求詐欺である可能性がありますので、無視することをお勧めしますが、元婚約者(元彼女、元彼氏、最悪でも知り合い)であれば、きちんと返答すべきです。

ポイント

ここがポイント!


円満に解決したいのであれば、請求に対して必ず回答する。

方法

多くの方々の婚約破棄慰謝料請求をお手伝いした経験や、請求された方からご相談を受けていて思うことは、得てして婚約破棄で慰謝料請求される場合は、請求される側に非があることが多いです。(当たり前の話ですが・・・)

「慰謝料請求者に慰謝料請求権があるかを確認する」でご説明した通り、婚約破棄の慰謝料請求をしてきた相手に、どう考えても請求権がない(と思われる)場合は、その旨を返答されれば良いでしょう。

「婚約自体が成立していない」「私が婚約を解消したことには正当事由がある」などですね。

ただし、婚約指輪を贈った、結納をした、式場を予約したなど、婚約成立の明らかな事実がある場合に、「婚約自体が成立していない」の言い訳は通るわけがありませんし、そのような悪あがきは事態を悪化させるだけです。

「そんな馬鹿な回答をする人がいるのか?」と信じられないかもしれませんが、以前、当事務所が婚約破棄慰謝料請求のお手伝いをしたときに、本当にそのような言い訳をした男性がいました・・・そこに親や兄弟姉妹が出てくると、さらに最悪の事態に陥ります。

責任を逃れようとするあまり、ウソをでっち上げたりするのも最悪でしょう。

例えば、本当の婚約破棄理由は他の異性と交際が始まったことであるのに、「君のこういうヒドイところが嫌で婚約を解消した。だから僕には婚約を破棄する正当事由がある」などです。

そのウソを崩されたときには、事態がさらに悪化することを覚悟してウソをつきましょう。このことは、婚約破棄の慰謝料請求に限らず、幼稚園児でも分かる常識ですね。

誰だって、婚約破棄の慰謝料を請求されて、「はい、そうですか。今週中に振り込みます」などと応じたくはないと思いますが、そこで相手を悪者にしたとしても、何も解決しません。

本当に請求者が無茶苦茶(慰謝料請求権がないにも関わらず請求してくる等)を言ってきている場合は、断固拒絶すべきですが、そういう事例はあまりないでしょう。

多いのは、請求されること自体は仕方ないことが分かっているが、金額に納得がいかないというケースでしょう。

ですから、婚約が成立していて、婚約が結婚に至らなかった責任が自分にあることが分かっているが、請求金額に納得がいかないなら、そのことをしっかり回答書面に記載して主張していけばいいのです。

「あなたが請求されている500万円という慰謝料額は、過去の判例からしてあまりに高額と思われますので、似通った事例である○年○月○日の○○地裁の判例を参考にして、100万円で解決させていただけないでしょうか」というような具合です。

ポイント

ここがポイント!


責任を逃れようと悪あがきをすることは事態を悪化させるだけ。
請求されている金額に納得がいかないのであれば、判例などを挙げて金額を提示すれば良い。

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