不倫慰謝料請求金額の決め方

精神的損害を金銭に換算することは難しい

喧嘩

慰謝料とは精神的損害に対する賠償金です。
しかしながら、精神的損害は目に見えるものではありません。

また、→こちらの不倫慰謝料の計算でご説明しておりますように、慰謝料の計算式というものは存在しません。

計算

したがって、精神的損害を金銭に換算することは難しいといえます。

そのため、「○○万円を請求したい」という人に「なぜその金額なのですか?」とお尋ねすると、「インターネットで相場はこれぐらいと見たから」「ただ何となく」などの答えが返ってきます。

目標額が決まっている場合

疑問

前述のように、精神的な損害は目に見えないものです。
したがって、上記のようなあいまいな答えが返ってくるのも分かります。
しかし、本当にそれでいいのでしょうか?
何らかの基準によって決めるべきなのではないでしょうか?

請求額から受け取る額は下がるのが通常

まず、目標額が決まっている場合についてご説明します。

慰謝料

例えば「100万円は受け取らないと納得できない」というように、具体的に「最低○万円」と決めている場合です。

ここで覚えておいていただきたいのは、最初の請求額から受け取る額は下がるのが通常ということです。

目標額を超える額を請求する必要

そのため「最低100万円」という目標であれば、最初に「100万円」を請求したのでは、ほぼ目標額に届くことはありません。
したがって、目標額を超える額を請求する必要があります。

目標の倍額

疑問

では、具体的にはどの程度請求すれば良いのでしょうか?

これについては、様々な考えがあり得ると思いますが、基本的には目標の倍額を請求すべきです。

というのも、これまでの経験上、請求額の半額程度で解決に至ることが多いからです。

相場とかけ離れているなら

もっとも、相場と目標額がかけ離れていることもあり得ます。
例えば、その事例における一般的な慰謝料額は50万円であるにも関わらず、目標額が150万円である場合です。

この場合、基本的には目標の倍額である300万円を請求することになります。
しかし、一般的には50万円であるのに300万円を請求すれば解決は困難です。

したがって、このように相場と目標額がかけ離れている場合は、目標額の設定自体を見直すべきです。

ポイント

ここがポイント!


目標額が決まっているのであれば、基本的にその倍額を請求すべき。

目標額が決まっていない場合

次に目標額が決まっていない場合についてご説明します。
この場合において請求額を決めるにあたってのポイントは以下のふたつです。

  • (1)法外な金額を請求しない
  • (2)最悪のケースを想定する

では、それぞれについて具体的に検討していきましょう。

(1)法外な金額を請求しない

まず、最大のポイントは法外な請求をしないことです。

慰謝料の相場

離婚に至らずに婚姻を継続する場合

一般論として、離婚に至らずに婚姻を継続する場合、慰謝料はそれほど高額になりません。
そして、肉体関係の回数が数えるほどしかなければ50万円以下になることも多いです。

また、同棲しているなどのよほど特殊な事情がない限り200万円を超えることも一般的にはないでしょう。

離婚に至る場合

離婚届

一方、離婚に至るとそれだけ精神的苦痛も大きいとされることから、100万円未満になることもあまりないと言えます。

また、離婚に至る場合であっても、よほど特殊な事情がなければ300万円を超えるような可能性はないと言えます。

詳しくは→こちらの不倫慰謝料の計算を参考にされてください。

法外な請求をしてみて後で下げれば良い?

もっとも、請求額は自由に決めることができます。
極端な話、1円でも良いですし、100万円でも良いですし、1億円でも良いのです。

疑問

そうすると、「いくら請求してもいいのだから、最初は法外な額を請求して、交渉の過程で下げればいいのでは?」と思われる方もいるのではないでしょうか?

しかし、その考え方は危険だと思います。

請求される立場で考えてみる

というのも、あなた自身が請求される立場で考えてみれば、なぜ危険かが分かると思います。
例えば、夫婦の婚姻期間は7年不倫期間は6ヶ月、その夫婦は離婚に至らず今後も婚姻を継続するとしましょう。
そして、あなたは反省をしており、慰謝料を支払う意思はあるという状況を想定してみてください。

この場合における一般的な慰謝料額は100万円前後です。

疑問

そうすると、あなたが払おうと思っている金額は、100万円前後ではないでしょうか?

このように思っているあなたのところに書面が届き、そこには「本書面到達後10日以内に金800万円を振り込まなければ、法的措置を取ります。」と記載されています。

法外な請求をすれば交渉にすらならない

怒り

「あまりに法外な請求金額だ!」と怒りを感じ、減額交渉する気持ちすらなくなるのではないでしょうか?
というより、まともに対応することが馬鹿馬鹿しくすら感じると思います。

したがって、「交渉の過程で下げればいいのでは?」どころか、交渉すら出来ない可能性が高いのです。
つまり、無視されるわけです。

裁判所を介しての解決しか手段がなくなる

訴訟

そうなると、残された手段は裁判所を介しての解決となります。

そして、裁判所が認容する額は、一般的な慰謝料額である100万円前後である可能性が高いです。
単に時間と費用がかかっただけですね……

以上のことから法外な請求は避けるべきです。

一般的な額の倍額程度の請求

また、前述のように請求額の半額程度で解決に至ることが多いです。
そこで、その事例における一般的な額の倍額程度の請求に抑えて請求すべきです。

そして、そうすることが時間と費用がかかる訴訟を避けることができるので、結果的に自分のためにもなります。

ポイント

ここがポイント!


法外な請求をすれば相手方は協議にすら応じないので、その事例における一般的な額の2倍程度の請求に抑えて請求すべき。

(2)最悪のケースを想定する

次のポイントは、最悪のケースを想定して請求することです。

時間

そもそも、最初の請求額から多少減額されたとしても、当事者間の話し合いで解決できれば御の字です。

なぜなら、当事者間で解決できるのであれば、無駄な時間と費用がかかりませんからね。

訴訟は最悪

裁判所

ところが、最初に法外な金額を請求してしまったために無視された場合、最終的には訴訟をする以外にはありません。

そして、この訴訟になることが最悪のケースです。

具体例

以下は、法外な請求したために、訴訟になってしまったと仮定した出費の具体例です。

  • (具体例1)
    500万円の請求訴訟を提起し、金100万円の支払を命じる判決が出たケースの費用
  • 弁護士着手金:500万円の5%プラス9万円→34万円
    弁護士成功報酬:100万円の16%→16万円
  • 100万円の支払を命じる判決が相手方に出ても、上記の例では50万円が弁護士費用と消えますから、手元に入るお金は50万円です。
  • (具体例2)
    800万円の請求訴訟を提起し、金50万円の支払を命じる判決が出たケースの費用
  • 弁護士着手金:800万円の5%プラス9万円→49万円
    弁護士成功報酬:50万円の16%→8万円
  • 50万円の支払を命じる判決が相手方に出ても、上記の例では52万円が弁護士費用と消えますから、手元に入るお金はゼロです。
    ゼロどころか赤字ですね。

また、訴訟は解決までに1年以上はかかることも多々ありますし、その間の心理的負担も相当なもののようです。
何も良いことがありませんね……

最初の請求額を大きく外すと訴訟になる可能性が高い

計算

それを避けるためには、上記の具体例をご覧になられればご理解いただけると思いますが、最初の請求額を大きく外さないことです。

最初の請求額を大きく外すと、無駄な費用と時間がかかるだけだからです。

当事者間で解決したほうが多くの金額が得られることも多い

時間

(具体例1)は、最初の請求額が200万円ならば、訴訟まで行かなかったかもしれません。
そして、仮に80万円で和解したとしても、訴訟をして得られた金額よりも多いですし、時間も大幅に節約できます。
(具体例2)も同じですね。

以上の事から、最悪訴訟になった場合にかかる費用と、判決で得られると考えられる金額を事前にある程度把握しておき、請求額を決めることをお勧めします。

  • (注1)各弁護士によって、金額は異なるので一般的な弁護士費用のケースです。
  • (注2)相手方に弁護士費用の一部を請求できるケースもありますが、請求しなかったとして計算しています。
  • (注3)弁護士費用は、着手金と成功報酬の他に雑費などがかかるでしょうが、考慮していません。
ポイント

ここがポイント!


訴訟になればいくらかかるかと、得られるであろう慰謝料額を考慮したうえで、請求額を決定する。

不倫相手の主張はどう崩す?

請求額を決めた後は実際の請求に移ることになります。
しかし、不倫相手が、何らかの理由をつけて支払いを拒絶してきた場合、その理由をどのようにして崩せば良いのでしょうか?
それについては→次のページ(支払拒絶と崩し方)で説明しております。

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