不倫の示談書の内容に違反した場合

示談書の記載内容

示談書

不倫・浮気問題が解決した際には、問題の解決を証するとともに、後日の紛争を予防する目的で、示談書(合意書・和解契約書)を作成することが一般的です。
そして、その示談書には、様々なことが記載されますが、大まかには以下のように分類されると思います。

  • (1)慰謝料に関すること
  • (2)今後の約束に関すること

慰謝料

まず、慰謝料に関することについては、支払われる額、それがいつまでに支払われるのか、どのような方法で支払われるのか(振込や手渡し)などを記載することになります。

次に、今後の約束に関することについては、代表的なものに、不倫相手と配偶者が不倫関係を解消することと、不倫の事実を第三者に口外しないという守秘義務があります。

なお、示談書の詳しい記載内容については、→こちらの不倫の示談書作成を参考にされてください。

ポイント

ここがポイント!


示談書の記載内容は、①慰謝料に関することと②今後の約束に関することに分類される。

違反したらどうなる?

疑問

では、決められた期日までに慰謝料を支払わなかった場合や、守秘義務に違反して不倫の事実を第三者に口外してしまった場合には、どうなってしまうのでしょうか?

これについては、慰謝料に関することと、今後の約束に関することによって異なります。
そこで、それぞれを分けて考えてみましょう。

慰謝料に関すること

例えば、「○年○月○日までに○万円支払う」と示談書に記載されているとします。

裁判

この場合に、その期日までに慰謝料を支払わなかったとすれば、一般的には訴訟を起こされることになります。

「相手は慰謝料を○年○月○日までに○万円支払うと約束したのに払わないので、支払い命令を出してほしい!」という感じですね。

訴訟の結果

そして、訴訟の結果は、原則として「示談書に記載されている○万円を払え」という形になることでしょう。

というのも、一度「○万円を払うことで解決する」という合意があり、それが示談書で書面化されている以上、裁判所もそれを前提に審理するからです。

法律

もっとも、示談書が強迫によって交わされたなどの事情や、あまりに法外な慰謝料額(1億円など)で合意することもあり得ます。
このような場合は、その示談書を無効として争う余地があると考えられます。

訴訟の後

訴訟で「示談書に記載されている○万円を払え」という判決が出て、その額を任意に支払うのであればそこで終了です。

しかし、判決を無視して任意に支払わない場合は、強制執行を受けることになります。
具体的には、財産や給与を差し押さえられます。

ポイント

ここがポイント!


慰謝料に関することに違反すれば、訴訟を起こされる。
訴訟の結果は、原則として示談書に記載されている通りとなり、支払わなければ強制執行される。

今後の約束に関すること

違約金の額が定められている

例えば、「今後は不倫をしないことを約束する。再度不貞行為をした場合、○万円の違約金を払う」と示談書に記載されているとしましょう。

慰謝料

このように、今後の約束をするとともに、それに違反した場合の違約金が定められていることがあります。
この場合は、原則としてその定められている違約金の額を支払う必要があります。

違約金が公序良俗に反して無効となる場合もある

法律

もっとも、違約金の額があまりに法外である場合、その契約は公序良俗に違反して無効となります。
そうすると、定められている法外な違約金を支払う必要はありません。

ただし、定められている法外な違約金を支払う必要自体はないものの、約束に違反したことには違いありません。
そこで、妥当な違約金を支払う必要自体はあるのです。

ポイント

ここがポイント!


違約金の額が定められている場合は、原則としてその額を支払う必要がある。
ただし、違約金が公序良俗に反して無効な場合は、妥当な違約金を支払えば良い。

違約金の額が定められていない

例えば、「不倫の事実を第三者に口外しないことを約束する。」と示談書に記載されているように、双方が守秘義務を負う旨の約束をすることがあります。

そして、このような守秘義務には、あらかじめ違約金を設定していることが少ないです。
少ないというより、まずないという表現が正確かもしれません。

事前に設定しない理由

疑問

では、なぜ守秘義務に反した場合の違約金の額を、事前に定めていないのでしょうか?

これは、守秘義務に違反する態様は様々であることから、どのような態様で違反があったによって、被害者の受ける損害も大きく異なるからです。

例えば、第三者に口外したとしても、それを誰か友人のひとりに打ち明けた場合と、嫌がらせの目的で会社に知らせた場合では、圧倒的に後者のほうが被害者の受ける損害は大きいです。

インターネット

更に、インターネットを使って全世界に不倫の事実や個人情報を拡散させた場合などは、甚大なる被害が出ます。

したがって、「守秘義務に違反した場合は○万円」というのを前もって決めておくことが難しいのです。

設定されていなくても損害賠償責任は生じる

もっとも、違約金の額が定められていないからといって、約束に違反した場合に違約金が発生しないわけではありません。

約束に違反している以上、それは債務不履行ということになります。

したがって、当然に妥当な範囲での損害賠償責任が生じます。

ポイント

ここがポイント!


違約金の額が定められていない場合は、妥当な範囲での損害賠償責任が生じる。

示談書の有効期間は?

それでは、示談書に違反しないように様々な約束事を守らなければならない期間、つまり示談書に有効期間はあるのでしょうか?
それについては→次のページ(不倫の示談書の有効期限)で説明しております。

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