婚約破棄慰謝料請求内容証明郵便の書き方

内容証明郵便の雛型は役に立たない

約破棄の慰謝料を請求するための内容証明郵便の書き方に関する書籍は、書店に行けば選択に迷うほどの種類があり、その書籍には文例も掲載されています。

また、インターネット上に公開されている雛型もあります。これらは一般的に以下のようなものでしょう。

  • ※婚約破棄の慰謝料請求内容証明郵便の文例
  • 「貴殿と私は平成○年○月○日に婚約し、結婚式場を予約するなど結婚の準備をしてきました。ところが貴殿は、平成○年○月○日に「他に好きな女性ができた」という理由で一方的に婚約を破棄する旨を通告してきました。この貴殿からの一方的な婚約破棄により私の受けた精神的苦痛は甚大でありますので、慰謝料として金○万円請求します。つきましては、下記の口座に、本書面到達後○日以内にお振込ください。また、期日までに慰謝料の振込がない場合は、法的措置を取ることになりますことをご承知おきください。」

はっきり申し上げまして、このような内容証明郵便を元婚約者に送付したところで、指定した期日までに指定した口座に慰謝料が振り込まれる可能性は皆無と言えるでしょうし、内容証明郵便自体を無視される可能性も高いと考えられます。

つまり、婚約破棄の慰謝料を請求するための内容証明郵便の書き方に関する書籍や、インターネット上に公開されている雛型をそのまま使用しても効果はほとんど期待できないのです。

理由

では、婚約破棄慰謝料請求の内容証明郵便を元婚約者に送付する場合、なぜ婚約破棄の慰謝料を請求するための内容証明郵便の書き方に関する書籍や、インターネット上に公開されている雛型をそのまま使用しても役に立たないのでしょうか?

ここで考えていただきたいのは、内容証明郵便の書き方に関する書籍や、インターネット上に公開されている雛型をそのまま使用して、指定した期日までに指定した口座に慰謝料が振り込まれることがなく無視された場合において、慰謝料請求者の次の手段は何かということです。

それは、本当に法的措置を取る(調停や訴訟を起こす)か諦めるかのどちらかしかありません。

つまり、婚約破棄の慰謝料を請求する立場としては、よほど裁判所大好き人間以外を除けば内容証明郵便を無視されると困るわけです。

一方で婚約破棄の慰謝料を請求された側としても、できれば話し合いで解決したいと思っています。

しかし、内容証明郵便に記載されている通りに慰謝料を振り込んだとしても、後日再度請求されるのではないかという危惧を持つこととなりますので、怖くて慰謝料を振り込むことなどできません。

このように慰謝料を振り込むこともできない状態にも関わらず、期日までに慰謝料を振り込まなければ法的措置を取る云々とも記載されていると、法的措置を取られるのは困るものの結果として送付されてきた内容証明郵便を無視せざるを得ないわけです。

つまり、送付した内容証明郵便が無視されることは、請求者にとっても請求される側にとっても困る事態になるわけにも関わらず、内容証明郵便の書き方に関する書籍やインターネット上に公開されている雛型は、請求される側が無視せざるを得ないような内容になっているからです。

内容証明郵便で請求する目的

婚約者に内容証明郵便等の書面で慰謝料を請求する目的は、その書面1通を送付することで慰謝料を振り込ませることではありません。

というより、書面1通を送付することで慰謝料が振り込まれてくるという夢のような話は、実際にそうそうあるものではありません。

では、婚約破棄慰謝料請求の内容証明郵便を送付する目的は何なのでしょうか?

それは、元婚約者を話し合いの土俵に乗せることです。

上記のように、婚約破棄の慰謝料を請求された側としても、できれば話し合いで解決したいと思っていますから、実は話し合いの土俵に乗ることを基本的に元婚約者も望んでいるのです。

しかし、内容証明郵便の書き方に関する書籍やインターネット上に公開されている雛型を使用した場合、元婚約者に「慰謝料を振り込むか訴訟をするか」を選ばせているわけです。

いわば「右手を切り落とすか左手を切り落とすか」という感じでどちらも選べないような提示をしているようなものです。

これでは、慰謝料を請求する側と請求される側双方が話し合いによって解決したいと考えていたとしても、とても話し合いになどならないでしょう。

なお、ごく一般的な常識や道徳観を持った婚約破棄の慰謝料を請求された人は、婚約破棄問題を話し合いによって解決させたいと思っているのですが、相談を受けていても「この人は頭が少々おかしいのではないか?」という人もいます。

具体的には明らかに請求された側に非があるにも関わらず、婚約が結婚に至らなかったのは慰謝料の請求者側に問題があると考えている人などです。

不幸にもそういう少々頭がおかしい人が元婚約者である場合は、内容証明郵便などを送付するのは時間の無駄ですので、即座に調停又は訴訟を起こされたほうがいいでしょう。

上手な書き方

は、婚約破棄慰謝料請求内容証明郵便を作成するにあたり、元婚約者を話し合いの土俵に乗せるにはどのように記載すればいいでしょうか?

それは「返事を出しやすいように誘導する」ということに尽きます。

例えば「慰謝料として金○万円を請求します」とするのではなく、「私は貴殿に金○万円を支払ってもらうことで婚約破棄の問題を解決させたいと思いますが、貴殿の考えを聞かせてください」などと記載すれば、元婚約者が話し合いにて解決する考えがあれば、「私は○万円での解決を希望します」などと内容証明郵便に対して返事を出してくるでしょう。

また、一方的に「慰謝料として金○万円請求します。つきましては、下記の口座に、本書面到達後○日以内にお振込ください」とするのではなく、「慰謝料として金○万円を請求するので、本書面到達後○日以内に貴殿の考える支払方法を書面にて提示してください」などと記載するのもいいでしょう。

ただし、あまりに優しく記載してしまうと元婚約者はつけ上がる可能性がありますので、判例等を交えながら請求している金額が妥当であり、基本的には譲歩する気はないということや、原則として支払いは一括払いであるということを記載するなどしたほうがいいと言えます。

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