不倫相手への対抗策

基本的には慰謝料請求権で対抗する

偶者の不倫相手に対しては、不倫によって受けた精神的損害の慰謝料を請求する権利を有していますから、基本的にはその権利を行使して対抗していくことになります。

但し、既に夫婦関係が破綻した後(離婚を前提に長期間別居しているなど)に行われた不倫の場合や、不倫相手がその配偶者を独身者と信じて(もしくは信じたことに過失がない)不倫をしていたような場合は、慰謝料を請求することはできませんので、注意が必要でしょう。

以下、どのように不倫相手に対抗していくか、慰謝料を請求していくかをまとめています。

電話やメール、直接の会話ができるか?

えば不倫相手と電話やメール、直接会って話し合いができるような状態であるならば、わざわざ最初から内容証明郵便等を送付して、事を荒立てる必要はないと思います。

内容証明郵便等を送付しての請求は、不倫相手を頑なな態度にさせてしまう可能性も高いので、「裁判までやって徹底的に戦ってやる!」とでも考えていない限りは、まずは極力円満に解決できる方法を探ったほうがいいと思います。

「あなたは私の夫(妻)と不倫をしていましたね?その不倫によって私は精神的に多大なる損害を受けましたので、○万円の慰謝料を払ってください」「分かりました、払います」と言ってもらうのが、誰がどう考えても一番簡単ですし、一番早く解決するわけです。

その話し合いが合意に達した後に「示談書(和解契約書)」を作成し、慰謝料の支払いを受けることができたなら、嫌な思いも短い期間で済みます。

「そんな簡単にいくの?」と疑問に思われるかもしれませんが、当事務所が請求をお手伝いしてきた経験上、ある程度の確率で上記の方法は成功(もちろん、周到な事前の準備が必要ではありますが)します。

慰謝料請求の問題において一番苦しいのは解決が長引くことなのですから、不倫相手と電話やメール、直接会って話し合いができるような状態であるならば、まずはダメ元でも直接コンタクトを取ることを試みるのも一案です。

内容証明郵便等の送付

倫相手と電話やメール、直接会って話し合いができるような状態(電話番号やメールアドレスを知らない、電話をすることや直接会うことにどうしても抵抗があるなど)にない場合や、直接話をしてみたものの、全く反省の態度も見られない、慰謝料を払うことに同意する様子がないなど、まともに話にならない状態の時には、内容証明郵便(その他にも簡易書留、一般書留などを使う方法もあります)を送付して慰謝料を請求すればいいでしょう。

但し、判例等を鑑みても最初に法外な慰謝料金額を請求してしまうことは、自ら解決を遠のかせるだけ(最初から訴訟を前提にするのであれば法外な請求額もありでしょうが・・・)です。

また、法律上は要求ができないようなこと(退職や住所の変更等)や変なこと(「一生呪い続けます」など脅迫文のようなこと)を記載しないように、法的主張(どの法律のどの条文を根拠に請求しているのかなど)を明確にするためなどの理由から、弁護士や行政書士等に相談、依頼して作成してもらったほうが安心であるとは言えます。

※当事務所で作成する内容証明郵便に当職名は入らず、本人名義(発送手続きもご本人に行っていただきます。)となります。

示談交渉

倫相手に内容証明郵便等の書面を送付して慰謝料を請求すれば、不倫に対する罪悪感が全くないのか、そもそも人間として少々おかしい人なのかは分かりませんが、中には完全に無視する人もいます。

しかし、一般的には何らかの反応を得られる場合が多いです。なお、反応を得るためには、無視されないように誘導する必要があります。具体的な方法はこちらの不倫慰謝料請求内容証明郵便の書き方をご覧ください。

「慰謝料を払うことに異議はないけれども、その請求額はちょっと多すぎるのではないでしょうか?」とか、「貴方達夫婦の婚姻関係は不倫前の時点で完全に破綻していたのですから、慰謝料支払いには応じられません」などですね。

そこで示談交渉が始まります。

この示談交渉は弁護士に依頼すれば全て行ってくれますので、請求者の精神的負担は最小限で済むのですが、少なくとも20万円程度(場合によっては50万円以上かかるでしょう)の報酬が発生することがネックです。

しかし、自分でも法律の理屈を頭に入れておけば行えますので、できるだけ費用をかけたくないのでしたら、ご自身で遂行されてもいいでしょう。

また、不倫相手との直接交渉は行えませんが、行政書士等に内容証明郵便作成を依頼した場合などは、その行政書士等にサポートしてもらいながら遂行するという方法もあります。

なお、示談交渉と言いますと、どうしても不倫相手と直接会って話をすることをイメージされるでしょうが、書面をやり取りすることで条件を詰めていくことが一般的ですので、不倫相手と直接会わないでも行うことができます。

交渉がまとまったら

談交渉で決まった慰謝料を確実に払わせるためや、後日の紛争を予防するためにも、必ず「示談書(和解契約書)」を作成しましょう。

例えば、話し合いが5月1日に行われて、慰謝料の支払い日が5月31日と決まったとしても、いざ支払い日に慰謝料の振込がなかった場合、示談書を作成していなければ、不倫相手は開き直って「慰謝料を払う約束なんてしていませんよ?」と言いかねません。

示談成立日(双方が条件で合意に達した日)と実際の慰謝料支払い日には間が空くことが多いので、上記の例で言えば話し合いをした5月1日の慰謝料を支払うという意思が、5月31日の支払い日に変わっていない保証はどこにもないので、その約束内容を示談書という形で書面化しておく必要があるのです。

口約束など、約束していないことと同じようなものですから・・・

また、慰謝料は一括払いが原則ではありますが、不倫相手の預貯金等の資産や収入(無職やフリーター、新入社員などの場合は、慰謝料を一括で払う資力がないことが多いです)によっては、分割払いになることも多々あります。

「ない袖は振れない」わけですし「消費者金融から借りてきてでも一括で払え!」とも言えないわけですから、不倫相手からの分割払いの申し出を受け入れざるを得ない場合は、示談書を作成しておかなければ払ってもらえないぐらいに考えたほうがいいでしょう。

なお、その示談書を原案にして公正証書を作成するかどうかも、専門家の意見を聞きながら慎重に決めていくべきですが、分割払いになる場合は、支払いが滞った際に即座に強制執行(財産や給与の差し押さえ)が可能となる、強制執行認諾約款付公正証書(分割払いが滞った場合は強制執行されても構わないと債務者(不倫相手)が認めた公正証書)を作成しておくべきです。

決裂したら

談交渉は必ずしもまとまるとは限りません。

不倫相手が慰謝料の支払い自体を拒むこともあれば、慰謝料を支払うこと自体には同意していても、その金額で合意に達しないこともあるからです。

では、示談交渉が決裂した場合にはどうしたらいいでしょうか?

結論として、請求自体を諦めるか法的措置をとる以外はありません。

(1)諦める・・・

くやしいですね、相手をつけあがらせるだけです。

(2)民事訴訟を提起する

慰謝料の請求額が140万円以下ならば簡易裁判所が管轄となり、請求額が140万円を超える場合は地方裁判所が管轄になります。

訴訟というと弁護士に依頼して、ものすごくお金がかかるイメージがありますが、簡易裁判所での訴訟ならば、一般的には弁護士よりは安く依頼を受けてくれる認定司法書士に依頼することも可能ですし、既にある程度の法律知識を有しており、更に相当な勉強をされる覚悟があるならば、ご自身で遂行することも可能だと思います。

ただ、請求額が140万円を超える地方裁判所での訴訟となりますと、やはり弁護士に依頼されるべきでしょう。

(3)民事調停を申し立てる

簡易裁判所に民事調停を申し立てることも出来ます。

不倫相手に慰謝料を請求する場合は、調停を行ってから訴訟を行わなければならない調停前置主義の適用はなく(離婚などは先に調停をしなければなりません)、いきなり訴訟を提起しても問題ありません。

しかし、「いきなり訴訟は・・・」とか「弁護士費用を支払う余裕がない」等の場合は、訴訟を提起する前に、裁判所で調停委員を介して行われる話し合いのようなものである調停を検討されてもいいでしょう。

調停のメリットは、訴訟と異なり、上記のように裁判所で調停委員を介して行われる話し合いのようなものですから、特段の法律知識を必要としませんので、弁護士等に依頼することなく、ご自身で遂行することが可能である点や、費用がそれほどかからない点にあります。

訴訟にしても調停にしても、解決まで数ヶ月という時間がかかります(慰謝料請求額を60万円以下にして、少額訴訟を起こすなら、一日で終了しますが)し、弁護士等に依頼すれば費用も相当かかります。

そのため、訴訟や調停を提起するのであれば費用対効果をよく考える必要がありますし、それ以前の問題として、訴訟や調停に発展しないように、最初の請求段階(直接会っての話し合いや内容証明郵便等の送付段階)から戦略(請求方法や請求金額)を練っておくべきであると言えるのです。

もちろん、訴訟をやりたくて仕方がない(稀にこのような人がいます)のでしたら、そんなことを考える必要はありませんが・・・

次のページ(支払拒絶と崩し方)へ

不倫慰謝料相談室のメニューに戻る

不倫慰謝料、婚約破棄、離婚相談室TOPに戻る

ページの先頭へ