不倫の基礎知識

不倫とは

どこから?

年はドラマや芸能人の言動などの影響によって、不倫が行われることが多くなっているようですし、不倫に対する受け止め方が昔とは変わってきているようです。

私もまだ30歳代なので、あまり昔のことは分からないのですが、昭和の頃と比較しましても、不倫に関する日本人の受け止め方が変わってきたことは事実でしょう。

ところが、どこから不倫、不貞行為なのかが、いまひとつよく分からない方も多いのではないでしょうか?

例えば、配偶者以外の異性とデートをすること、映画を見に行くこと、食事に行くこと、キスをすることなどは、不倫に該当するのでしょうか?

人それぞれ考え方が異なるでしょうし、「異性とデートなんて不倫に決まっているじゃないか!ましてやキスなんて真っ黒以外の何物でもない!」と考える人もいるでしょうが、これらの行為は法律上の不倫(不貞行為)には該当しません。

法律上の定義

では、法律上の不倫(不貞行為)の定義とはどういうものかと言いますと「配偶者のあるものが、配偶者以外の異性と、自由意思で肉体関係をもつこと」です。

これだけでは何を言っているかよく分からないかもしれませんので、「配偶者のあるものが、配偶者以外の異性と、自由意思で肉体関係をもつこと」を区切ってみていけば、法律上の不倫(不貞行為)というものが理解できると思います。

(1)配偶者のあるもの

まず、この場合の配偶者とは何かを考えます。

配偶者のあるものとは、法律上の夫婦かと聞かれれば少々違うという回答になります。

法律上の夫婦とは、市役所や区役所等に「婚姻届」を提出している夫婦のことですが、それ以外にも内縁関係(何らかの事情により「婚姻届」は提出していないが、男女双方が夫婦としての意思を有している状態)の夫婦もいます。

その他にも、婚約関係にある男女も、「配偶者のあるもの」とは言えません(婚約者のことを夫、妻と呼ぶ人はいないでしょう)が、婚約者以外の異性と不倫を行えば、他方の婚約者から慰謝料を請求される可能性があります。

ですから、配偶者のいない独身の男性が、交際している女性以外の独身女性と肉体関係を持った場合、道義的には問題のある行動と言えるのかもしれませんが、それは法律上の不倫、不貞行為には該当しません。

また、市役所や区役所等に「婚姻届」を提出している夫婦は、「離婚届」が提出されるまでは法律上の夫婦ですが、事実上夫婦関係が破綻しているような場合(夫婦の不仲が理由で離婚を前提に長期間別居しているなど)は、その夫婦の一方と肉体関係を持っても不倫の慰謝料が発生することはないとするのが判例の立場です。

(2)配偶者以外の異性と

「配偶者以外の異性」ですから、同性愛というのは、法律上の不倫、不貞行為に該当しません。

但し、法律上の不倫、不貞行為には該当しなくとも、民法に定められた「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当し、離婚原因にはなる可能性がありますから、配偶者から離婚を請求されることはあり得ます。

(3)自由意思で

自由意思で肉体関係を持つということですから、「肉体関係を持たなければ、身体をバラバラにして、東京湾に沈めてやる!」などと脅迫されての肉体関係は、法律上の不倫、不貞行為に該当しません。

もちろん、女性が強姦された場合なども、自由意思とは言えませんから、不倫には該当しないことになります。

但し、配偶者がいながら、配偶者以外の異性を脅迫して肉体関係を持った場合や、男性が女性を強姦した場合は、自分の自由な意思で行っているわけですから、法律上の不倫、不貞行為に該当します。

また、風俗店に勤務する女性が業務として行うサービスについては、お店の指示によって行っているので、その女性の自由意思とは言えませんから、原則として法律上の不倫には該当しませんが、そのサービスを受けた男性側は当然不貞行為に該当します。

(4)肉体関係をもつこと

会社の同僚と食事した、デートした、キスをしたというのは、法律上の不倫、不貞行為には該当しません。

肉体関係がないからですね。

もちろん、メールをした、電話をした、文通をしたなども該当しません。

但し、不倫は通常密室で行わるものですから、その行為の現場を押さえることは不可能に近い(帰宅したら配偶者と異性が行為の最中だったなどの事例もありますが、そのようなケースは極めて例外です)ものがあります。

そのため、ラブホテルに入って長時間出てこない、異性の一人暮らしの自宅に長時間滞在していた、泊りがけの旅行に行って同じ部屋に宿泊したなど肉体関係が推測できる場合は、いくら当事者が否定したとしても、肉体関係があったものと判断される可能性が高いです。

当事者が否定すれば肉体関係がなかったとされるのであれば、世の中の不倫はほとんど闇に葬れることでしょう……

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